2011年11月23日

ギターと木の話B

icon_135.gifギターと木の話B〜色も木目も味のうち〜

アフリカの黒檀(エボニー)は真っ黒な非常に堅い木で、エジプトの時代から珍重されてきたものです。仏壇やチェスの駒などにも使われる高級な木ですが、最近はとても希少で値段が高騰しているとか。ギターでは主に指板に使われます。

ピアノの黒鍵をエボニーと呼ぶことはよく知られていますが、それは元々黒檀で作っていたから。今では実際には色を表しているだけの場合が多く、黒檀はほとんど使われません。エボニーという木の名前が "黒" の代名詞になってしまったんですね。

堅い木、色の濃い木としては、ローズウッドも代表的なギターの材料です。堅くて良く共鳴するためボディ(サイド、バック)に適しており、こげ茶色のシックな色合いの美しさから指板にも使用されます。

このローズウッド、マメ科の一種でインディアン・ローズウッドやブラジリアン・ローズウッドといった種類がありますが、これにも "呼び名" としての使われ方が定着しているそうです。というのも、木材の流通では "色が似ているから" という理由で、全く異なる樹種の木材もローズウッドの名前で呼ばれるとか。例えて言うと一昔前、銀ダラだと思っていた魚が実はメロだった、というようなものでしょうか ^^;?

さて樹種の方のローズウッドですが、中でもブラジリアン・ローズウッドは銘木の評価高く、ハカランダとも呼ばれます。当然この木を使ったギターは高価なものになります。やはり絶滅のおそれがありワシントン条約で規制された樹木。

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インディアン・ローズウッドの指板材です

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楽器は確かに音を出してナンボという道具、しかし美しさという魅力もまた味のうち、ということでしょうか。


次回はシーズニングについてなどなど。お楽しみに!
posted by A.C. at 18:01| Comment(0) | 日記

ギターと木の話A

icon_135.gifギターと木の話A〜家具職人も作る楽器〜

アプリコット・ファームがある日高・飯能地域は、古く林業でも栄えた土地です。杉やヒノキといった針葉樹が中心ですが、建材や家具材は日常生活の中でもとても馴染み深いものですね。定番の樹木なんていうのもあります。農機具の柄には樫の木、箸や櫛にはツゲの木、楊枝にはクロモジ。「おい、親父!クロモジ取ってくんねぇ」

さてヨーロッパの家具材の一つ、マホガニーをご存知と思います。中南米やアフリカに分布する広葉樹ですが、高級家具材やベニスのゴンドラの材料としても有名ですね。かつてはヨーロッパで主流の家具材だったそうで、ギターの材料としても使われてきました。

当時は手に入りやすい材料だったのでしょう。ギター製作者の中には家具職人出身の人もいたそうです。

現在のアコースティック・ギターの形が出来たのはアメリカです。移民時代に多くの職人達も新大陸に渡り、クラシック・スタイルからスチール弦と大きなボディを持った楽器へと変わっていきました。有名ブランドのマーチンやギブソンも、アメリカに渡ってギターを作った移民たちの一人です。

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導管(水が通る管)がくっきりと見える美しい木目のマホガニー。当時の典型的なギター材料の1つですが、需要が高かったため濫伐に遭い、現在ではワシントン条約で取引が規制されています。

日本では間伐されない山のスギ花粉が問題になりますが、いつの時代も家具や建物や楽器となって、私達の身近にいてくれる樹木との共存を願わずにいられません。

posted by A.C. at 17:58| Comment(0) | 日記

ギターと木の話@

icon_135.gifギターと木の話@〜ギターの材料の木〜

アコースティック・ギターはもちろん、メタリックに光るエレキギターもギターはほとんどが木製品。今回から数回に分けて、ギターと木にまつわる話を掲載していきます。

ギターに使われる木と言えば、北方の樹木 "マツ、トウヒ(スプルース)、カエデ(メープル)、スギ(シダー)" や、南方の "マホガニー、黒檀、ハカランダ" などが有名です。

マツ・・・といっても防風林に使われる赤松や盆栽の五葉松などではなく、エゾマツのようなトウヒ属と呼ばれる "真っ直ぐに" 伸びる木。クリスマスツリーの形をした針葉樹です。

建材などでもそうですが "曲がった木目" の材を使った場合、時間の経過にともなって「木目の曲がった方向へ・・・」と力が掛かってしまうので、結果、楽器の狂いに。トウヒ属は狂いが少ないうえ適度の柔らかさも兼ね備え「楽器がよく鳴る」ということでボディトップの材料として使われるのです。

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スプルースのボディトップ

カナダのメープルシロップで有名なメープルの木は、堅く、弦楽器のネックなどに使われます。メープルの楽器への使用は古く、昔ヨーロッパでガレー船のオールとして使われていたものをバイオリンの材料にしたとか。

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メープルのヘッドとネック

バイオリンの裏板には "トラ目" と呼ばれる筋(スジ)の入ったメープル材が使用されるようですが、もともと木の歪みの大きい部分。だから裏に使っていたのでしょうが、最近はこの模様の美しさが評価されギターのボディトップ材に利用されたりします。最も有名なのがギブソンのレスポールでしょうか。ちなみに「タイガーアイ」ではなく、トラ模様のことです(タイガーストライプとも)。

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ネックに近い方がトラ目、手前側がキルト模様。


次回は2週間後、現在のギターはどんな風に出来たのか?などなど お楽しみに!

posted by A.C. at 17:35| Comment(0) | 日記