2013年01月22日

初心者のギター選び・コツのコツA〜アコギ編〜

icon_135.gif初心者のギター選び・コツのコツA〜アコギ編〜

@からつづく)

合板よりは単板が望ましい傾向にあるアコースティック・ギターですが、あまりに安価な総単板を見かけたらちょっと注意。少し難しくなりますが、こんな話もちょっと頭の片隅に入れておくと良いようです。

Y氏「それから細かい話を少しだけ。箱モノのギターは柔らかい木を薄くスライス、シェイプして箱にしているので、割れ止めの観点からもブリッジやサウンドホール付近に "ブレイシング" という力木を接着して補強しています。トップ材裏(表板の裏面)に力木を接着するということは、板を振動させるという意味では邪魔になるため、この力木は少ない量を適正な配列で入れることが良い音を出すために重要になってくるのですが、安価な総単板のギターなんかだとブレイシング加工が上手くないケースがある。特に単板は合板に比べると変形しやすいから、それを防ぐために厚めのブレイシングを接着していることがあるんだよね。そうすると、単板を使っていても音の鳴らないギターになってしまいます。乾燥も進んでいないから音も重いしね。」

Y氏「塗装についても同じことが言えます。光沢はあるけれども塗装が厚過ぎて表板が振動しづらいと、見た目はキレイでも鳴らなければ意味ないしね。」

もちろん、総単板のギターがリーズナブルな価格で販売されるようなこともあるようです。「総単板だから良い」と一概に思い込まずに、常に音を出してもらって、良く鳴るかな? 自分はその音が好きかな? と、自分の耳で確認することが大事なのは言うまでもありません。


初心者がアコースティック・ギターを買うときに失敗しないコツはあるでしょうか?

Y氏「そうですね…最近は便利になってネットや通販でギターを買うことも出来るけれど、楽器屋さんに足を運んで、手に取って音を鳴らして選ぶことも大切ですよ。店員さんとのコミュニケーションで、楽器の情報を教えてもらうことも出来ますからね。同じ品番のギターでも個体差があるということも知っていて欲しいです。鳴らした音が気に入るかどうか?愛着を持てるかどうか?を一番に考えることかな。外国の有名ブランドにこだわらず、国産でも老舗と言われるようなメーカーを選ぶのも良いと思いますよ。」


いかがでしたでしょうか? ギター選びの際に役立てていただけたら幸いです。

次回Bからは「エレキ編」。エレクトリック・ギター(ソリッド)選びのコツのコツです。どうぞお楽しみに!(掲載は約2週間後です)


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2013年01月15日

初心者のギター選び・コツのコツ@〜アコギ編〜

icon_135.gif初心者のギター選び・コツのコツ@〜アコギ編〜

新年、あけましておめでとうございます。今回からまた数回に分けて「初心者のギター選び・コツのコツ」と題しまして、ギター選びについて少し突っ込んで掲載していきたいと思います。文中Yasu氏は当工房(アプリコット・ファーム)のギタリスト&ギター講師、メンテナンス等も行っています。

まずアコースティック・ギター編。

アコースティック・ギターは材の良し悪しが音に直接影響してくる場合が多く、やはり良い材料を使ったギターは、それなりのクオリティの音が出る傾向にあります。

多くは、トップ材(表板)に松系や杉系、サイド(側板)&バック(裏板)に各種ローズウッドやマホガニー、フィンガーボード(指板)にはエボニーやローズウッドが使われ、板はすべてしっかりとシーズニングされた"単板" (合板でない一枚板のこと)が使われます。このようなギターは鳴り、音色に優れますが、当然、値段も高額になります。

* 材については「ギターと木の話@」〜の記事も参照下さい。


初心者でも気軽に入手できる価格帯で選ぶヒントと言ったら?

Yasu氏「リーズナブルでも良く鳴るギターっていうのは売っています。廉価版でよくあるのは、トップだけは単板でサイドとバックは合板というものです。ギターの部位の中ではトップ材が一番鳴りに効いて来るとも言えます。ですから、まずトップが松系の単板(場合によっては杉系の単板)かどうかをお店の人に尋ねてみると良いでしょうね。合板っていうのはベニヤ板みたいなもので、板と板の間に接着剤が使われているから、鳴りは良くないが安く作ることが出来る。そこで、トップだけ単板を使い、それ以外のトップ材に比べると鳴りへの影響の少ない部位には、価格を抑えるために合板を使っているわけですね。こういうギターには安価でも良く鳴るものがあったりします。」

アコースティック・ギターの鳴りの決め手はトップ材をまず一番に注目。さて、廉価版で総単板(トップ、サイド、バックすべて単板)のギターというものは販売されていないのでしょうか?

Y氏「そういうのもあるけれど、なんで安くなっているのかと考えたときに、材料の価格を下げている、例えば木材のシーズニングの手間を短縮しているケースがあるから注意が必要ですね。」

シーズニングとは切ったばかりの木材を経年変化や適正な方法で乾燥させることで、後の材の変形や劣化を防ぐための重要な工程です。

Y氏「廉価版ギターで単板の場合、シーズニングを機械や薬品で強制的に済ませていることがあります。うっかりすると、買った後にしばらく使っていたら各部位に反り、ムクミ、割れ、縮みが出てきてしまったりとかね。鳴りも良くなかったり。管理にも注意を払う必要はあるけれど、こういうリスクの可能性を頭に入れておくと良いと思いますね。」


アコースティック・ギター選びの注意点とヒント、以下Aにつづきます。(掲載は約1週間後です)


posted by A.C. at 17:50| Comment(0) | 日記

2011年12月12日

初心者が選ぶギターC

icon_135.gif初心者が選ぶギターC

(・・・Bから続く)

Y氏「でも廉価版が悪いかといえば、そんなこともない。"あのギターのあの音が欲しい!"という向きには応えられないけど、廉価版が安く出来るのは木材のせいばかりじゃなくて、人件費の安いところで大量生産をしている、という理由もあるからね。」

現在手に入る中でも"良い材料"を使って、安く製造したものであれば、廉価版として良いギターといえる、ということでしょうか?

Y氏「ただし、安く作ろうとするから丁寧な作り込みは出来なくなります。ネックなどのエッジ処理やフレットの調整など、昔は熟練者が手作業で行っていたところを、機械でやったり、あまり手間を掛けない方法で行うから、見た目や弾きやすさには影響が出ますね。」

安かろう、悪かろうってことには?

Y氏「心配なのは、しばらく使っていたらネックが反ってしまって弾きづらくなってしまった、とか、フレットの調整が上手くなくて弾きづらいとか。やはり、安いギターというのはそういう、弾きづらさ、調整の悪さというのは多い傾向があります。初心者がこういった障害に当たって思うように上達しない場合、そこでギターを嫌にならずに、"これはギターのせいかもしれない" と考えて、次のステップを踏めるかどうか。廉価版を買った人、買おうとしている人は、この点だけは認識しておいて欲しいですね。」

調整するには、楽器屋さんに持っていけば有料で(買ったばかりならば無料の場合も)やってくれます。場合によっては、調整費用も足すともっと高いギターが買えてしまうことも?

Y氏「だから当教室みたいに、ギターの弾き方を教えるだけでなく調整の方法も教えたり、有料であっても安く調整してくれるような場所に、買ったギターを持ち込むのが一番良いんですけどね。」

宣伝、失礼いたしました(^^;

Y氏「そりゃあ、高いギターの方が良いのは確か。音に関しては好き好きだけど、材や作り込み、調整という意味では。もしも"自分は最初の1本をずっと弾き続けると思う"という人なら、5万〜10万円の範囲から・・・さらに上も考えれば、まず安心だと思います。」

廉価版スチューデントモデルについてまとめると。

Y氏「永くギターをやっていると、色んなギターに魅力を感じてくると思うんだよね。だから必ずしも最初から良いギターじゃなくても良いと常々思っているけどね。廉価版の良いところは、ナット幅やスケールはオリジナルとほぼ同じだから、安い金額で楽器との付き合い方を覚えることが出来る、試せるというところ。自分の好みが分かる。安いからガンガン使って傷だらけになっても気にならないしね。だからお財布とも相談して、必ずしも本物じゃなきゃダメ、とかではなくて、考え方次第でコピーでも十分良いんじゃないかな、と思います。まず楽器を手にすることが重要ですね。」


いかがでしたでしょうか? 今回で『初心者が選ぶギター』は終了です。
次回は、また違うテーマで掲載します。 どうぞお楽しみに!


posted by A.C. at 23:56| Comment(0) | 日記